目次
実は、僕が最初の患者でした。歯科医師が自分でマウスピース矯正をして分かったこと
歯科医師である僕が、自分自身にマウスピース矯正をして分かったことがあります。
それは、治療の知識があることと、実際に患者として矯正を経験することは違うということです。
今回は、子どもの頃にワイヤー矯正を経験した僕が、30歳を過ぎて再び矯正を決意した理由や、マウスピース矯正を実際に受けて感じたことについてお話しします。
子どもの頃にも矯正を経験していました
僕は子どもの頃、上の前歯の間に余分な歯(過剰歯)が埋まっており、すきっ歯でした。

大学病院で過剰歯を抜歯し、その後、ワイヤー矯正を経験しました。
当時は歯並びが改善し、これで矯正は終わったと思っていました。

しかし、大人になると、再び前歯のガタガタが気になるようになりました。
さらに、奥歯にはしっかり噛み合っていない部分もありました。
歯科医師になった僕は、見た目だけでなく、噛み合わせも気になるようになりました。
そして、「もう一度、きちんと矯正したい」と思うようになったのです。
30歳を過ぎて、もう一度矯正することに
もし自分が矯正するなら、納得できる治療を受けたい。
そう考えて選んだのが、マウスピース矯正でした。
ワイヤー矯正は、自分で装置を調整できません。一方、マウスピース矯正では、自分で治療計画を立てられることから、今回はマウスピース矯正を選びました。
こうして、僕自身が最初の患者になりました。


僕がマウスピース矯正を選んだ理由
マウスピース矯正には、取り外しができるため歯磨きがしやすいというメリットがあります。
また、痛みや違和感も比較的少なく、少しずつ変わっていく歯並びを自分の目で確認できます。
[治療計画のシュミレーション]

子どもの頃にワイヤー矯正も経験しましたが、僕にはマウスピース矯正の方がストレスが少なく、合っていました。
しかし、実際に治療を始めてみると、良いことばかりではありませんでした。
歯科医師でも、正直大変でした
特に大変だったのは、毎日の装着時間を守ることでした。
食事のたびにマウスピースを取り外す必要があり、着色を避けるためにコーヒーも我慢していました。
知識として分かっていたつもりでも、実際に毎日続けるのは想像以上に大変でした。
その経験を通じて、初めて実感したことがあります。
「患者さんは、これを毎日頑張っているんだな」
治療する側として知識を持っていても、患者さんが日々感じる負担は、実際に経験してみなければ分からない部分がありました。


自分で立てた計画なのに、思い通りに動かない
マウスピース矯正では、事前にシミュレーションを行います。しかし、実際の歯は、必ずしもシミュレーション通りに動くわけではありません。
僕自身も、治療の途中でマウスピースが合わなくなり、何度か治療計画を修正しました。
この経験から、最初に立てた治療計画だけに頼るのではなく、実際の歯の動きを確認しながら治療を進めることが大切だと感じています。
治療を始める前の計画だけでなく、治療中の変化をしっかり確認し、必要に応じて対応していくことを大切にしています。

患者になって初めて分かったこと
実際に患者として矯正を経験し、さまざまなことを実感しました。
- 装着時間を守る大変さ
- 日常生活の中で感じる小さなストレス
- 思い通りに治療が進まないときのもどかしさ
知識として理解していることと、患者として実際に経験することは違いました。
だからこそ、治療計画だけでなく、患者さんの生活や気持ちも大切にしたいと感じました。
歯科医師として治療の質を追求することはもちろん、患者さんが日々どのようなことを感じ、どのような負担を抱えているのかにも目を向けていきたいと思っています。
歯並びを褒められるって、こんなに嬉しい
矯正を終えてから、笑ったときに「歯並びきれいですね」と言ってもらえることが増えました。
以前は前歯のガタガタが気になっていた僕にとって、それは想像以上に嬉しい変化でした。
歯並びが変わることで、自信にもつながります。
自分自身が矯正を経験したからこそ、歯並びが整うことの嬉しさを実感できました。
この喜びを、もっと多くの人にも知ってほしいと思っています。
【before→after】


自分が受けたいと思える治療を、患者さんにも
マウスピース矯正は、決して楽なことばかりではありませんでした。それでも、僕は矯正をしてよかったと思っています。



▼

自分が患者だったら、どんな治療を受けたいか。
歯科医師として、より良い治療を追求すること。そして、患者として経験した苦労や喜びを忘れないこと。
その両方を大切にしながら、一人ひとりの患者さんと向き合っていきたいと思います。
自分自身が患者として経験したことを、これからの診療にも生かしていきたいと考えています。
長崎大学歯学部卒業後、複数の医療法人でインプラント専門医・統括院長を歴任。インプラントを本格的に学ぶため月1回、始発から終電まで福岡へ通い続けた経験を持つ。矯正治療は専門医との連携のもと習得。2026年、川西みらい歯科・矯正歯科を開院。